一学期終了

一学期終了


こんにちはー。ロンドンに来てから安定のテンションのミンク先生ですー。

先週の金曜日に期末テストを受けて来ましたー。予習はバッチリでしたのでそれほど難しくはなかったですー。試験内容は事前に判明していた通り選択式のもので、試験時間は2時間でした。まさか海外の大学院でセンター試験のようなスタイルの試験を行うとはイギリスに来る前は予想していませんでした笑。まあ、科目が基本的なもので、記述式試験のように自分の見解などを述べる科目ではないので当然ですが(笑)。この手の試験は日本人なら得意であります。あっミンク先生は小動物ですが国籍は日本であります。日本の某県のワンルーム洞穴に住んでおります。

現在は冬休みに入っており、つかの間の休息中です。

しかし、あまりのんびりしていてももったいないので(留学期間は限られてます)、引き続きビジネス心理学関連の書籍を大学の図書館でひょっこり物色しております。

以前に一学期のエッセイのテーマについて書きましたが、そのテーマは組織内の権力(power)及び社内政治力(politics)の重要性についての内容でした。『これらがないと組織の変化が難しい。これを批評せよ」といった内容でエッセイを約3000文字書いて提出したのですが、論点を考えて実際に書き進めている間に20冊以上の本を読み、色々と考えさせられました。

実際に社会人経験が長く企業で働いていらっしゃる方は、ビジネス心理学とは関係なしに各々の社会経験で組織の社内政治やパワーバランスに関する問題に直面されていらっしゃると思います。会社組織にはいろんな方やいろんな上司がいますからね。

正直なところ、ミンク先生自身はこのテーマについてエッセイを書き始める前はこのテーマについて少々首を傾げました。権力”Power”と聞くと少し横暴で傲慢であるので無意識的に反発したくなりますからね。

しかし、自分の論点やアイディアを確立するため、社内権力や政治に関する書籍を読み進めていくうちに、組織という集団を誘導し変化させるにはこれらはとても有効な要素であるのでは、、と考えるようになりました。要はこれらをどううまく使うかでいい結果にもなりうるし、逆に反発やトラブルにもなりうると思いました。

さらに、権力というと企業の役職以上の層の人々が保持する極めて抽象的でカテゴライズされていないものを思い描いてしまいがちですが、本を読むうちに、”power”にも役割や種類があるということが見えて来ました。

具体的に言いますと、リーダーシップにおけるパワーとマネジメント層におけるそれはとても似て非なるものであるということが見えて来ました。

リーダーシップにおけるパワーは、戦略的というよりもそのリーダーの他メンバーに対する求心力や説得力、コミュニケーション能力などといった人間的魅力に起因するものであるという趣旨の書籍が多かったです。

これとは対照的に、マネジメントで求められる要素は、リーダーが掲げた変化や戦略に対していかに企業内の反発や分裂のリスクを回避するように戦略的に社内をコントロールすることが至上命題ということが考察できました。

具体的なマネジメント方法はその方や企業によって様々であると思いますが、極力社内の意見や方向性を間接的にコントロールしたり、メンバーが変化に対応していけるように企業内のトレーニングやミーティングなどの機会を提供し、その間にメンバーの話を聞き励ましたり指導していくことが重要であると考察できました。

ミンク先生は、これらの二つのパワーシステムをうまく組み合わせて企業の変化を起こしたり、企業文化を変えていくことが大事であるといった論調でエッセイを展開しましたが、途中で一つ壁にぶち当たりました。

それは、このクラスの中の一つの授業として扱われたテーマですが、組織内のリーダーシップや権力を分散させる(Distributed Leadership, Shared Leadership)という概念です。権力をボスやトップに集中させないで、チーム内のメンバー内でパワーや責任を分散させ、よりチームワークを活発にしていこうという考えであると思われます。

こういったテーマはいかにも現代社会に適した内容であり、この概念に関する論文などを読んでいると、「一局集中された権力やトップダウン式はこれからの時代にそぐわない」という論調ばかりでした。

ミンク先生自身もどちらかというとこれからの時代はこういう流れになるのでは、と授業中には思いました。

しかし、この概念の正当性を主張すると、ミンク先生が展開したいエッセイの論点とかみ合わないということに気づいてビクッとしました。

「参加型のパワーバランスが優れているとすれば、上で述べた強いリーダーシップとマネジメントの二つのパワーシステムの意見を真っ向から否定してしますですぅ」

エッセイの途中で、やっぱり今は参加型(participative)・分散型(distributed)のパワーシステムの優位性を主張してしまうと一貫性に欠けてしまいます。どうしましょうかと思った時に、分散型リーダーシップの問題点を主張する論文やウェブサイトを発見しました。

短くまとめると、「分散的ななリーダーシップ及びパワーは、責任の所在が不明確となり、チームワークや連携が深まるが、一方で意思決定が遅れていまうということが危惧される」というような主張でありました。

この指摘はとても納得できますね。考えてみますと、組織内で働いている時以外のプライベートの時間でも当てはまりますね。

例えば、休日に友達4~5人くらいでレストランなどに行く場合にもこれに似た現象が起きるとも言えます。

この4~5人くらいでまずどのレストラン(中華、イタリアン、タイ料理など)に行くかを決める時に、オススメの美味しいレストランを提案し、テキパキと予約を決めてくれるような強いリーダーシップを発揮する人がいないと、メンバー内で意見を出すところから始まり、周りの顔色も伺いながらなかなか前に進まないといったご経験がみなさんもご経験があるかと思います。

まず中華かイタリアンか、場所は新宿がいいか渋谷か、値段はいくらくらいがいいかなどいう段階でとても時間がかかりますね。このような方法でじっくり考え最終的にみんなが満足できるところに決まれば問題がないですが、こういった場合最終的にレストランを二択まで絞り5人で多数決といった流れになりやすいです。

その際、多数決で負けた一人や二人の方に不満が残ってしまいます。「なんで選ばれなかったんですか〜この二つならこっちの方がいいに決まってるですぅ」といった感情が芽生えてしまうかもしれないですね。

そうであれば、初めから美味しいレストランをたくさん知っている一人が全責任を以ってして判断し、お店を選んだ方がスピーディかつ大失敗なしでワイワイと食事を楽しめる可能性がありますね。

産業組織心理学は、こういった特定の集団内での意思決定や人間関係にも応用できるのではないですかと、この記事を書いている間にも思ってしまいます。なかなか奥が深いですね。

 

話を戻しますが、その後エッセイの論点としてこの分散型のリーダーシップの問題点をうまく組み込み、結果的に企業の変化を促すにはある程度の権力的なパワーで組織をコントロールして行くことが大事というようなオチでエッセイを書き上げました。その際に、論文で見つけたブラジルの大手通信企業のケーススタディーを引用しました。この企業は国営企業で、1980年代まで軍事産業の名残を残した企業風土で企業を運営していましたが、その後時代の流れで民営化され、その際に当時の時代背景やマーケット適応するため企業風土も変化させなくてはなならない段階に突入しました。

しかし、その際に社内の複数の部署で反発があり、結局その企業がマーケットや顧客重視の企業文化に切り替わるまで13年ほどの月日が経過しましたというような内容でした。

最終的に反発していたメンバーや部署なども、企業の外の客観的な時代の流れを事実として受け止め、変化を受け入れたというような内容でした。

このケーススタディーを考えると、この13年の間にトップ層が企業文化の変化を反発のあった部署などに積極的に説得し、説得力や求心力のあるリーダーなどがマネジメント部門と手を組み、よりダイナミックかつドラスティックに変化を牽引していけば、もっと早く市場に合った改革ができたのではと疑いました。

 

とはいえ、参加型のリーダーシップもなかなか面白い概念で、この手法の成功例も数多く紹介されています。特に学校組織や教育機関でこの手法が導入され、実際に生徒の学習能力を向上させることに成功した事例を載せている論文を多く発見しました。確かに教育機関ではうまくいきそうですね。

興味のある方はグーグルスカラーやWebページなどで調べてみてはどうでしょうか。とても印象的な内容です。

 

参考までに、このエッセイで軸となったパワーやリーダーシップ、マネジメントに関する本を紹介します。このテーマについてエッセイを書く前に、クラスの先生にオススメしてもらった本です。とても要点がまとまっていて読みやすかったです。「権力についてもっと知りたい」といった方にはとてもオススメです。

Power, Politics, and Organizational Change (英語) ペーパーバック – 2008/2/19

今日はここまでですぅ。

 

ミンク先生のラインスタンプもよろしくお願い致します。ご感想もお待ちしております。 line.me/S/sticker/1546546


minksensei

2017年9月からロンドン大学の大学院で産業組織心理学を学ぶために渡英した新任のミンク先生ですぅ。

日本で独学で英検一級を取得後、ロンドン大学の修士課程に合格。

日本に帰国後はロンドンでの経験を生かし、ひょっこりと日本の会社組織に貢献したいのです。

ミンク先生のラインスタンプも好評をいただいております。

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愛されるより檻に入れて愛したいんですぅ。